子どもとハイキングや登山をするときには、たとえ持ち物が重くなっても長袖の服と雨具に帽子、そしておやつは忘れずに持っていくようにしましょう。
山は虫が多く、また怪我をしやすい場所だということ、天気が変わりやすく、平地とは比べ物にならないほど体感温度が低いこと、常に日光にさらされること、おやつは栄養補給が重要であることがその理由です。
でも、こんな事を思ったりしませんか?
- どんなおやつを持っていけばいいの?
- 長袖だとどんな効果があるの?
などなど、私自身も色々と悩んできました
これらは大人にも共通して言えることではありますが、なぜ子どもの場合にはより持ち物に注意をする必要があるのかということについても合わせて解説していきます。
子どもに長袖長ズボンを着用させる理由は、虫対策と怪我対策、そして防寒
ハイキングや登山をする山には、生き物がたくさんいます。虫や鳥など子どもが興味を持つ生き物も多いのですが、中には人間に害を及ぼす生き物もいます。子どもに長袖・長ズボンを着用させる理由はこれです。
特に注意が必要なのは、山だけでなく、最近では市街地でも話題に登るスズメバチがもっとも注意を要する生き物だといえるでしょう。一般的な洋服だけでスズメバチの毒針を完全に防ぐことは難しいですが、それでも肌を露出しているよりはずっと安全です。
また、危険な虫はスズメバチだけではありません。
危険な病気や寄生虫を媒介する蚊やヒル、毛虫などももちろんいますし、実際にあった事例としては子どもがマダニに噛まれたというケースもあります。こうした虫は、登山などで身体を動かしていると肌に載っていることに気が付かない場合も多く、目の届かない場所で刺されたり噛まれたりしている場合もあります。
子どもの場合は、「虫に刺された」ということに対する警戒心が大人ほど高くないので、あえて大人に報告したりしないということもあります。蚊やヒルなどの場合には長袖・長ズボンが特に有効ですし、スズメバチの場合などには、白い服を着ることで襲われる危険性を下げることもできます。
体力の落ちた子どもは体温を奪われると危険、雨具の準備を
山の天気は非常に変わりやすいことはよく言われることです。
山登りやハイキングで体力を奪われた子どもが雨などに当たると、一気に体力を奪われてしまいます。これが雨具を持参する理由です。
大人であれば、ある程度体力があれば耐えられるような状況であったとしても、身体の小さな子どもは体温が下がったことですぐに体調を崩してしまったりすることもあります。雨具が防寒具と別に必要であるのは、水を弾く素材でできているためです。一般的な服は水に濡れると、皮膚にへばりついてさらに体力を奪うことにつながります。防寒着・着込むための服とは別に、雨具をしっかりと用意していきましょう。
雨具として子ども用のレインウェアを一着、きちんとしたものを購入しておくと、たとえば学校の遠足などでも活躍することがあります。コストパフォーマンスを考えると、決して高い買い物にはならないでしょう。
帽子は怪我防止と日射病予防に必須のアイテム!
子どもに帽子をかぶせておくと、万一登山中に転倒した際の怪我防止につながります。また、日射病・熱中症予防にも効果的です。
大人もそうですが、頭部の怪我というのは命につながる場合もあることから、できるだけ頭は保護する必要があります。特に子どもの場合には、頭部が重く不整地では転倒のリスクが成人よりも高いと言われています。帽子はしっかりとした素材のものを選択するとよいでしょう。
そして、例年真夏になると熱中症がニュースを賑わせますが、登山の場合はさらに熱中症のリスクが高くなります。
いくら標高が高くなれば涼しくなるとはいえ、登っている最中は身体が運動している状態ですから汗をかきます。また、登山道は頭上が開けている場合もあり、長時間強い日光にさらされる危険性があります。帽子をかぶっていれば、頭部の温度上昇を防ぐことができ、熱中症や日射病のリスクを低減することができます。もちろん、それでも適度な休息と水分補給は欠かすことができませんが、帽子の着用はリスク軽減に有効です。
意外な「おやつ」の役割は、「糖分や塩分の補給」
「おやつ」は気分転換・楽しみのためかと思いきや、実はそれだけではなく糖分や塩分の補給という重要な役割を担っています。雪山登山で滑落し、1週間後に救助された男性が、チョコレートで1週間をしのいだという報道がかつてありましたが、実はおやつは栄養補給に最適なのです。
日頃は虫歯になる、太るなど何かと目の敵にされるチョコレートですが、たとえば板チョコレート1枚では商品によりますがおよそ300キロカロリーほどがまかなえるものもあり、これは茶碗一杯分のご飯と同じ程度のカロリー量です。
そして、登山で汗をかいた際には身体から水分だけでなく塩分が抜け出してしまいます。
特にミネラルウォーターやお茶など、塩分がほとんど含まれない飲み物だけを持参している場合には、塩分を含むお菓子を持参するのがおすすめです。最近では塩分タブレットというものも販売されているので、上手に取り入れるのがよいでしょう。また、じゃがいもを使ったスナック菓子などは多くの場合塩分が摂取できます。
このように、身体が失った栄養分を補給するという意味で、おやつの存在は貴重なのです。お弁当はお弁当として持参し、それとは別におやつを持っていくとよいでしょう。子どもが「もう歩けない!」などとぐずった場合にもおやつの存在は有効です。
経験者からのコメント
佐々木 駿(Shun Sasaki)
アウトドアを始めて約10年。
家族や友達とのオートキャンプからソロでバイクでのツーリングキャンプ、登山では百名山登頂を目標に、1年を通してアウトドアを楽しんでいます。
【コメント】
私は子供が生まれたタイミングで本格的に登山を始めました。将来、子供とアウトドアで過ごす時間を共有したいと思ったからです。
夏休みには富士山に登り、思い出を作文に書く。
そんな妄想を膨らませて始めた山登りでしたが、想像以上に過酷でした。
初めて富士山に登った時には子供を連れて行く以前に、自分が登れるのかさえ不安になる程、大変でした。
低い山も同じだと思います。低い山であっても平地と比べれば天候は変わり易いですし、高い山より虫や動物が多く生息しています。子供を連れて行く前に親御さんが登ってみて、子供でも登れるか、どんな危険が潜んでいるか、何が必要なのかよく検討してみてください。
まとめ
子どもと一緒にハイキングをするというのは、いろいろと気を回さなければいけませんし、体力的にも疲れることは間違いありません。しかし、子どもにとって、そして親にとってかけがえのない思い出となります。
また、登山の経験は子どもが大人になったときに生かされる部分もあるでしょう。
しっかりと親が準備をして、安全で実りのあるハイキングとするため、この記事をぜひ参考にしてみてください。
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