登山で肩こりを予防する、あるいは肩こりを解消するには、荷物の量と背負い方、そして適切なストレッチがカギです。重い荷物を背負って歩く登山は、肩こりに悩まされる方が多いアクティビティです。
これを解消するために、そして予防するための方法について、この記事で詳しく解説します。登山中の肩こりに悩まされている方は、ぜひ参考にして下さいね。
登山での肩こりを予防するためには荷物を調整するのが基本!
登山リュックの中身を調整して軽くすることは、最も早く効果が出る肩こりの予防法です。登山というと荷物をたくさん背負っているというイメージがあるかもしれませんが、あくまで「その山に合わせた装備」を心がけます。
当然のことですが、3,000m級の山を登るのと、1,000m以下の山を登るのとではまったく必要とされる荷物が違います。登山のベテランは、とにかく「余計な荷物を持っていかない」ことで、登山中に肩こりを引き起こすことをなるべく避けています。たとえば登山においては、飲み物やタオルなどは必須ですが、宿泊しない登山なら普通は着替えは持っていきません。
このように、不要な荷物をへらすことで肩への負担を減らし、肩こりを予防することができるのです。
荷物の詰め方も工夫するとより効果的に
ある程度大きなリュックでは、荷物が「荷崩れ」をしないように工夫するとより肩こりの予防に効果的です。というのも、肩こりの原因のひとつに、肩に常時力が入っているということが挙げられます。
荷物がリュックの中で煮崩れすることで、リュックが歩行のたびに大きく左右に揺れ、それが背中や肩に大きな負荷をかけてしまうことで肩こりを引き起こしてしまうのです。このような荷崩れを防ぐためには、荷物はなるべく隙間なく詰めることと、リュックの底にはあまり取り出したりしないもの、リュックの上にペットボトルなどのよく使うもの、というふうに配置を工夫することで、リュックの中での荷崩れを防ぐことができます。
特に荷物の量がどうしても多くなるような、高い山や連峰での登山では、必要な量の荷物を適切にパッキング(荷造りすること)が必須となります。
ストラップで体への負担を軽減
リュックにストラップがついていれば、このストラップを利用することで体への負担を軽減できます。具体的には、腰についているヒップストラップと、脇の下にあるショルダーストラップが重要です。
これをしっかりと調整し体に密着させることで、リュックが左右に振れないことで肩こりを防ぐことができます。ヒップストラップはしっかりと引っ張って、腰というよりも骨盤の上にリュックを載せるようなイメージでしっかりと体に密着させます。
次にショルダーストラップも同様にしっかりと締めてこれも体に密着するようにします。単にリュックを落としてしまわないためではなく、リュックを体に密着させるために、ストラップはしっかりと使用しておくことが推奨されます。
姿勢にも気をつけることで肩こり予防に
登山で肩こりをしない基本姿勢というのは、頭から背中までをまっすぐにすることです。肩こりというのは筋肉が原因で起こりますが、頭から背中をまっすぐにした基本姿勢で登山をすることで、リュックを背負うときに筋肉ではなく、骨をもって支えることができます。
また、猫背になることでリュックをしっかりと骨で支えることができずに左右に振れてしまい、これを戻すことが必要となるため、余計に筋肉に疲労がたまります。そのため、リュックは筋肉ではなく骨によって支える必要があるのです。
もちろん、長い時間にわたる登山の行程においては、適切に休憩を挟むことも必要となります。この休憩のときには筋肉のコリをほぐすための運動も必要となることは、言うまでもありません。
休憩とストレッチで肩こりを解消
登っている最中に肩こりを感じたなら、なるべく早めに休憩をして、ストレッチをすることで肩こりを解消することができます。休憩もただ座るだけではなく、ストレッチをすることが重要です。
特に肩こりを解消するストレッチとしては、肩の周辺の血流を改善するようなストレッチが必要です。肩甲骨を回すようなストレッチを行うことや、頭の左側を右手で持って、右肩の側に倒す、あるいはその逆を行うようなストレッチが効果的です。他には、肩を上げ下げする、肩をすくめるようなストレッチも取り入れるとより効果的です。
休憩をする際には、疲れからどうしても俯きがちになってしまったり、猫背の姿勢となっている状態で休んでしまうことがあります。疲れているからこそ、荷物を一旦おろし、肩のストレッチをしてからもう一度背負うような工夫が必要でしょう。
肩こりを感じたまま登山を続けることは、集中力を乱すので滑落や転倒の恐れがあり、避けるべきといえます。
まとめ
登山中に肩こりを感じることは、長い行程となる登山では誰もが経験したことがあるでしょう。
肩こりは単に荷物が軽ければよいというものではなく、荷物の梱包の仕方から背負い方、疲労を感じる前の登山中の姿勢、そして疲労を感じたときの休憩・休憩中のストレッチなど、注意するべきポイントがいくつもあります。
これらのことに留意することで、登山中の肩こりを予防し、また感じてしまった肩こりを解消することができます。
経験者からのコメント
佐々木 駿(Shun Sasaki)
アウトドアを始めて約10年。家族や友達とのオートキャンプからソロでバイクでのツーリングキャンプ、登山では百名山登頂を目標に、1年を通してアウトドアを楽しんでいます。
コメント
肩こり対策として荷物の軽量化は大事ですが、ザック自体は軽量モデルの物よりしっかりとした作りのモデルの物の方が歩行中安定感が有り、意外かもしれませんが体への負担は少ないです。
数時間山を歩けばどんな人でも肩こりを感じるかと思いますが、ベテランの健脚達は「自分に合うザック」「自分に合う山道具」「自分に最適な歩き方」等、これまでの経験値から体への負担を減らす対策が自然と出来ているようです。
経験は積まなければ得られない物ですが、ランニングや筋力トレーニングを行う事で体のブレが減り肩こりをはじめとした体への負担は減らせます。
日頃から体を鍛え、山で経験を積みながら学んでいく事が1番大事な事のように思います。
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