登山中に肩こりといった体に異常が感じられるようになってから頭痛になるという人は多くいます。
体調は万全でも頭痛になってしまうという人はどのようなことが原因であると考えられるでしょうか。
ここでは、必ずと言ってもいいほど頭痛になるという人向けに原因と予防策を詳しく紹介していきます。知っていれば未然に防ぐことが可能になるので、安心して登山ができるように一緒に確認していきましょう。
考えられる原因は高山病!
標高が高くなるにつれて気圧が低くなりますが、それが原因で血液に取り込める酸素の量が減少してしまいます。酸素不足によって様々な症状が引き起こされてしまい、高山病に繋がるのです。
高山病になってしまうと必ずと言っていいほど起こる症状が頭痛です。酸素を最も消費する臓器が能であるため影響が出やすいことが理由です。標高が高いところだと病気でもないはずなので身体がだるくなることもあります。他にも食欲不振、疲労感、吐き気なども同時に起こります。症状の重さは個人差によって大きく異なります。
高山病であるかどうかは、疑わしい症状が出始めた標高を覚えておくといいでしょう。2,500mの高度を急激に登ると約25%の人が高山病になり、3,500mの場合だとほぼすべて人にかかると言われてます。日本人には低酸素の環境に遺伝子的に対応できない人もいると言われています。
最初は肩こりなどの疲れかと考えられる症状で、次第に頭痛になり始めたら高山病を疑ってください。体調が万全ではない人や高齢者の人は高山病になるリスクが上がってしまうので気を付けましょう。
頭痛がひどくなった場合の対処方法
すぐに安静にして休むことも大切ですが、歩くなどして体を動かすと酸素をより多く取り込むことができます。横になっていると呼吸が浅くなってしまうので酸素を多く取り込むことができません。
また、身体を冷やさないようにすることも大切です。睡眠不足が原因である場合は冷え対策を十分に行って睡眠をとりましょう。
登山中に頭痛が酷くなってきたらすぐに休憩を取りましょう。体を冷やさないように風を直接浴びない場所に移動してください。水分補給をしっかりとり、ストレッチなどをして血流をよくするようにしましょう。
酸素ボンベを使用すると一時的ではありますが症状が緩和されます。歩くことすら困難であることが予想される場合は万が一を考えて酸素ボンベを用意しておくことをおすすめします。
呼吸抑制作用がある鎮痛解熱剤でも効果があるので酸素ボンベを用意できない人はそちらでも問題ありません。鎮痛剤を飲んでも頭痛や吐き気が治まらない場合はかなり危険な状態です。
再び歩き始める場合は、決して無理をしてはいけません。無理をしてしまうと最悪死に至る場合があるのです。こまめに休憩を挟み、体調が戻らなければ下山してください。
頭痛の予防策
体を慣れさせる
ある程度の標高まで登ったらしばらく1時間程度の休憩を取ってその高度に体を慣れさせましょう。散歩をしたり、食事をしたりと自由に行動して時間をゆっくり使って構いません。特に5合目で宿泊をすると高山病対策に有効ですよ。
スローペースで登る
高山病にかかりやすくなる原因として、急に高度が上がってしまうことにあります。そのため、ハイペースでの登山は頭痛を引き起こす原因になってしまいます。体を慣らしてあげるためにもゆっくりと登っていきましょう。疲労によって頭痛を引き起こす可能性もあるので疲れたと感じたら休憩を取るようにしてください。口で息をし始めたらそれは酸素が足りていない証拠です。鼻呼吸では間に合わないようであればペースを落としましょう。
水分補給をこまめにとる
登山をしていると汗は知らぬ間に出ているので水分不足になりがちです。脱水状態になってしまった場合は血流が悪くなるので頭痛を引き起こす可能性が高くなります。一度に多くの水分を補給するのではなく、こまめに少ない量の水分を取るとより効率的に摂取することができます。
まとめ
肩こりから頭痛になってしまう人はほとんどの場合高山病にかかっていると考えられます。しかし、高山病にならないように対策を立てることが可能です。
高度になれさせること、水分補給をこまめにとること、スローペースで登ることなど事前に知っておくだけで簡単に予防ができますよ。気分よく登山を楽しむためにも対策はしっかりと立てておきましょう。
経験者からのコメント
佐々木 駿(Shun Sasaki)
アウトドアを始めて約10年。家族や友達とのオートキャンプからソロでバイクでのツーリングキャンプ、登山では百名山登頂を目標に、1年を通してアウトドアを楽しんでいます。
コメント
多くの人が高山病になり得る可能性を持っています。私自身は高山病を経験した事が無いのですが、初めて富士登山にチャレンジした時に同行者が高山病にかかり繰り返し嘔吐する姿を目の当たりにした時には、命の危機さえ感じました。
幸いにも症状が落ち着いたタイミングで自力で下山する事が出来ましたが、その方は今でもトラウマで富士登山は懲り懲りのようです。
「高山病にかからないための対策」はとても重要ですが、個人的には「高山病にかかった後の処置」が最重要かと思います。登頂の為のフィジカルとスキルを身に付けるのと同時に、緊急時に対応出来る準備をしておく事が、山を最大限に楽しむ秘訣ではないでしょうか。
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