山登りって、美しい花々や絶景を味わえる健康的で素敵なスポーツだと思いませんか?
リュックに雨具など必要最低限の持ち物を積み込むだけで、あとはほとんど何もいらないんですよ。えーと、もちろんお弁当や飲み物・おやつなんかはお忘れなく!
ただし、どうしても注意しなければいけないことがひとつだけあるんです。
それはどんな靴をはけばいいのかということ。
山登り用の「登山靴」には、「ハイキングシューズ」と「トレッキングシューズ」の2種類があること、みなさんはご存知でしょうか?
でも、二つの靴の違いって何?実際にどっちをはいていけばいいの?失敗しない選び方ってあるの?だれもそう思いますよね。結論から言いますと、ふたつの靴の違いっておもに素材と耐久性です。それとどんな山に登るのか、使う目的によってはき替えなければいけないんです。
山登りに出かけてみたい!
でも、どっちの靴を選べば良いの?そんな悩みはこの記事を見ればバッチリ解決します!ぜひこの記事をしっかりと読み込んで、失敗しない靴選びをしていきましょう!
ハイキングシューズってどんな靴なの?
ハイキングシューズとトレッキングシューズの違いをお伝えする前に、まずそれぞれの靴の特徴をご説明します。
ハイキングシューズとは、その名前の通り「ハイキング」を目的に作られた靴です。ハイキングですから、けして重装備をして何泊も稜線を歩いたり危険な岩場を登ったりするようないわゆる本格的な登山ではありません。
例えば、小さなお子さんといっしょに日帰りで行ってこられるような近場の低山歩きをイメージして下さい。
もっと具体的にハイキングシューズの特徴をあげますと
- 靴底が柔らかい素材でできており、トレッキングシューズに比べると靴が格段に軽い
- 靴底以外の素材もトレッキングシューズに比べると全体的に柔らかい
- 素材が柔らかいので、歩きやすくしかも足を動かしやすい(靴ずれもほぼできません)
- トレッキングシューズに比べて値段が安い(ものにもよりますが半額程度で買えます)
- 簡単に言うと、きちんと整備された近くの低い山を歩くことを想定した靴
こんな特徴を持っているのがハイキングシューズです。だから、険しい山道や岩場を登りたいと考えている方には向いていません。
どちらかというと、日帰りで近場の低い山に登るりたいと考えている初心者向きの靴と考えて下さい。
トレッキングシューズ、ハイキングシューズとの違いと特徴
ではトレッキングシューズは、ハイキングシューズとどこが違うのでしょう?
かあなたがもしも「穂高」や「剱岳」といった超有名な山に登りたいと考えているなら、迷わずにこのトレッキングシューズをチョイスすべきです。
まちがってもハイキングシューズで、北アルプスの山々に登ろうとしてはいけません。
ここでトレッキングシューズの特徴をいくつかあげてみると
- およそ標高が1,000m以上の山で、相当険しい山道を歩くために作られた専用の靴
- 岩場や砂利道などでも滑りにくくするために、靴底の刻みが大きく深い(私が昔から愛用しているビブラムソールなどが有名です)
- でこぼこの悪路でも足を痛めないよう靴底が厚く固い(だからはっきり言って重い)
- 急な斜面でもねんざなどして足首を痛めないよう、分厚く固い素材で足首まで覆っています(だからさらに重いんです)
- 手入れや保管の仕方で若干差はあるものの、おおよそ靴の寿命は5年ほど。
このようにトレッキングシューズは、頑丈で固く相当な重さもあるため上級者向きの登山靴と言えます。
「ハイキングシューズ」と「トレッキングシューズ」の違いを比べてみるとどうなる?
ハイキングシューズとトレッキングシューズのおおまかな違いについて、ご理解いただけましたか。あらためて二つの靴の違いを比べてみます。
- ハイキングシューズは初心者向き、トレッキングシューズは上級者向きの登山靴
- ハイキングシューズは軽く履きやすい。トレッキングシューズは固く重いが安全重視。防水性も断然高い。
- 日帰り低山にはハイキングシューズ、高山はもちろん宿泊するような本格的な登山には迷わずトレッキングシューズ。その分メンテナンスには手間がかかります。
- 値段が安いのは一般的にハイキングシューズ、トレッキングシューズはある程度値段が張ります。ただ、トレッキングシューズは靴底を張り替えると何年でも愛用できます。
とまあ、思いつくままにハイキングシューズとトレッキングシューズの違いを比較してみました。ただ、値段も手頃で初心者向きのハイキングシューズとはいえ、軽く見てはいけません。
最近のハイキングシューズは、バリエーションも豊富です。足首まですっぽりカバーしてくれるハイカットモデル、機能性にすぐれたローカット・ミドルカットの3モデルがラインナップされています。
ゴアテックスなどの防水性・透湿性を兼ね備えた素材が使用され、一昔前のものとは比べものになりません。ハイキングシューズとはいえ、ゆめゆめあなどってはならないのです。
失敗しない靴の選び方とひもの結び方
最後に、二つの靴の選び方で共通する大切なポイントを解説させて頂きます。
一日中ほとんど立ちっぱなしの私たちの足は、たいてい夕方むくんで大きくなっています。だから、靴を選ぶのは夕方にしましょう。
そして、覚えていてほしいのが次の点です。
- かならず1cmから1.5cm、足のサイズより大きい靴を選んで下さい。
- なるべく専門のスタッフのいるお店で靴は買ってください。特に、トレッキングシューズを買う時には値段やデザインにまどわされてはいけません。
- 靴の正しい履き方と正しく靴ひもを締める方法を、専門のスタッフから教わって下さい。
サイズの合わない靴を長い時間履いていると、靴ズレはもちろん爪が黒くつぶれたり、最悪では登山中に爪がはがれたりすることさえあります。
それでは楽しいはずの山登りが、最悪の思い出になってしまいますからね。また、正しい靴ひもの締め方をマスターすることも大切です。
ハイキングシューズでもトレッキングシューズでも、靴を履く時にはまずかかとをぴったり靴のかかと側にくっつけます。つま先が当たらないように履いたら、しっかりひもを締めるのがコツです。これをマスターしていないと、サイズは合っているのに足が靴の中でずれてつま先や爪を痛めてしまいます。
そんな訳で、靴を選ぶ時には専門のスタッフがいるお店に出かけて下さい。
特に、トレッキングシューズを選ぶ時には要注意です。
専門のスタッフなら、どんなサイズのどんな靴があなたの足に合っているかをきっと教えてくれるはずです。
専門家からのコメント
佐々木 駿(Shun Sasaki)
アウトドアを始めて約10年。家族や友達とのオートキャンプからソロでバイクでのツーリングキャンプ、登山では百名山登頂を目標に、1年を通してアウトドアを楽しんでいます。
【コメント】
キャンプブームの昨今、各アウトドアブランドからアウトドアテイストのシューズが多く販売されています。
タウンユース向けのお洒落なスニーカータイプの物から、手に取りやすいデザインのハイキングシューズも年々増えてきています。
多くの人が興味を持ってアウトドアに参加出来る“良い時代”になったのですが、なんとなくの知識で誤った靴選びをしてしまう人が多い気がします。
記事中でも書かれている通り“山に合わせた靴選び”がとても重要です。
登山靴の購入を検討されている方は、店頭で実物を手に取ってみて販売員の方によく相談して間違いない靴選びをして頂きたいです。足のサイズの実寸を測って貰えば、より自分に合うシューズが見つかるはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ハイキングシューズとトレッキングシューズって、似てるようでずいぶん違います。これから自分がどんな山に登ろうとしているのか、それをよく考えてから靴を選ぶことがポイントですね。
それと、靴下と靴ひもはなるべく登山専用の丈夫でしっかりした素材のものから選んで下さい。厚手の登山用靴下は、靴ズレを防ぐだけでなく足が地面から受ける衝撃をだいぶ和らげてくれます。
また、靴ひもは別の意味で大切なアイテムです。もしも山中で靴ひもが切れたら登っている状況次第では事故に繋がってしまいます。何はともあれ、山登りになくてはならないのがハイキングシューズとトレッキングシューズです。
お気に入りの一足を選んだら、さあみなさんも大自然のまっただ中に飛び出していきましょう。きっとすばらしい山々があなたを待ってくれるでしょう。
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