車にラッピングシートを貼ることはDIYユーザーの方々なら経験されたことのある方もある程度いらっしゃることと思います。今回は車にラッピングシートを貼ってみたい方向けの内容の記事です。
- ラッピングシートとはどういうものなのか
- ラッピングシートのメリット
- ラッピングシートのデメリット
- 車にラッピングシートを貼るために必要な道具
- ラッピングシートの貼り方・貼り方のコツ
ドレスアップとしての役割もありますが、傷隠しや手軽に挑戦できることもあるなど、DIYで車の見た目を弄りたい方にとっては非常に興味深く魅力的なアイテムです。
デメリットがいくつかあることや、作業アイテムや作業工程で注意すべき点もありますが、DIYで十分行えます。それではラッピングシートについていろいろ見ていきましょう。
ラッピングシートとは
ラッピングシートとは様々なデザイン・カラーリングが施されているフィルムの一種です。表面にカーボン調やイエロー・レッドなどの単色、さらには国旗を模したデザインなどが載せられています。
裏面は粘着テープの面となっていて、使用前にはリケイ紙が貼られていて粘着しないように保護されているという感じです。
このラッピングシートというフィルムは、車やバイクのボディ及びその小物・アクセサリーなどに貼られて使用されることが主な役割のひとつとなっています。
車やバイクの外装つまりはバンパー、ルーフ、各ピラーにボンネット、タンクやカウルの純正カラーを自身の嗜好に合わせて塗装することや、事故や自損事故などで傷ついたエクステリアの補修の一環として塗装することが、車やバイクを購入後に施される可能性の高い塗装です。
このようなケースにおいて、塗装する代わりにラッピングシートを貼りつけることはその代替案としてはもちろん、塗装にはないラッピングシート特有のメリットがあります。
ラッピングシートのメリット
ラッピングシートのメリットには次のようなことがあります。
- 塗装よりも作業が簡単
- 一定期間なら剥がしやすい
- 傷を隠すことができる
それぞれのメリットを少し詳しく見ていきましょう。
① 塗装よりも作業が簡単
ラッピングシートを車に貼りつける作業は塗装作業よりも簡単です。
ラッピングシートは粘着性で貼りつけるようになっているので、言わば貼るだけで車両のデザインを変えることができるというDIYに優しい作業内容となっています。実際にはシワができないように貼りつける、剥がれないようにしっかり貼る、貼りつけてから乾燥させる必要があるなど条件はいろいろありますが、ほぼ一発勝負の塗装と比べると比較的簡単と言えるでしょう。
塗装には塗装のメリットがありますので、それは理解してください。
② 一定期間なら剥がしやすい
ラッピングシートはそのラッピングシートに定められている一定期間内であれば剥がしやすいです。再剥離性能と呼ばれるものがその一定期間になります。ラッピングシートをDIYで貼りつけようと考えている場合、事前に確認しておくとよいでしょう。
③ 傷を隠すことができる
このメリットは案外知られていないかもしれませんが、ラッピングシートの活用価値としては非常に高いものであると言えます。例えばボンネットを例に考えてみましょう。
ボンネットに目立つ傷がついたので新品・中古の同じ色のボンネットを探したがなかなか見つからない、そういう時に傷がついたボンネットを、その車のデザインに馴染みやすいカラー・デザインのラッピングシートでラッピングするのです。
なおかつDIYでラッピングシートを貼ればラッピングシート代だけで修理することができます。新品のボンネットは当然金額も高く、中古で運よく見つかったとしてもそれなりの金額であることや送料もそれなりにかかりますので、コストの側面から考えてもメリットがあるのです。
ラッピングシートのデメリット
ラッピングシートのデメリットを挙げると、次のようなことがあります。
- 耐久年数がある
- 剥がすときに塗装がはがれる可能性がある
それぞれを見ていきましょう。
① 耐久年数がある
ラッピングシートには耐久年数があります。言い方を変えると寿命があるということですが、よく言われていることとして耐久年数は3年ということです。
しかしラッピングを施した車の管理方法によって実質耐久年数は変化します。劣化が進むと、ラッピングシートが色あせる・縮むといった症状が出るので、注意しましょう。
② 剥がすときに塗装がはがれる可能性がある。
特に年式の古い車に言えることですが、貼りつけたラッピングを剥がす際に塗装が一緒に剥がれてしまう可能性があります。
対策としては、剥がす際にドライヤーなどで熱風を当てながら剥がすと塗装に優しく、なおかつ効率的に剥がすことが可能です。
車にラッピングシートを貼るために必要な道具
車にラッピングシートを貼るためにはラッピングシートだけでなく道具も必要です、主に次のようなものが必要となります。
- ヘラ
- ハサミ
- ヒートガン
ひとつずつ説明を加えます。
① ヘラ
ヘラ無くしてラッピングシートを語ることは不可能です。
ラッピングシートにおけるヘラの役割は、ラッピングシートを貼りつける際にシート内の空気を抜くことになります。空気を抜かないとその部分が膨らんでしまうなど、見栄えが悪くなってしまうのです。
ヘラを使って空気を抜きながら貼りつけることで、ラッピングシートを貼り終えた時の完成度が高くなります。
② カッター
必要量のラッピングシートを購入したラッピングシートから切り離すため、そして実際に貼りつけるラッピングシートと貼りつけ対象物の縁に当たる部分の馴染みを良くするためにカッターも必要です。
見栄えに関わってくるので、信頼できる・使いやすいカッターを用意・使用しましょう。
③ ヒートガン
そしてもうひとつ欠かすことができない道具といえばヒートガンです。
ヒートガンとは熱風を吹出す道具・工具になります。熱風を吹出すものといえばドライヤーが最も一般的な物と思いますが、ヒートガンはドライヤーを余裕で上回る熱風を生み出すのです。ラッピングシートを貼る際にヒートガンで熱風を吹きかけて、ラッピングシートを伸ばしながら貼りつけるという作業手順のため、ヒートガンが必要になります。
貼りつけた後に仕上げとして行われるポストヒーティングの際にもヒートガンを使用するので、ヘラと並んで必須工具なのです。
ラッピングシートの貼り方・貼り方のコツ
貼りつける前には洗車前提としますので説明を省きますが、ラッピングシートの貼り方は、基本的に次の手順で行います。
- 必要量のラッピングシートを用意する
- ラッピングシートを少しずつ貼っていく
- ポストヒーティングを施す
① 必要量のラッピングシートを用意する
まず、必要量のラッピングシートを用意します。ラッピングシートは筒状で販売されているので、購入したときには筒状に巻かれている状態です。貼りつけ対象物の寸法を測定して、その寸法よりも大きめにラッピングシートを用意しましょう。
② ラッピングシートを少しずつ貼っていく
実際に貼りつけるサイズのラッピングシートを準備できたら実際に貼っていきます。
貼り方は対象物によって違いはありますが、基本となる部分は同じです。ラッピングシート内の空気を抜きながら対象物に貼りつけましょう。小物なら端から、ボンネットなら中央上部から、といったように貼り始めの違いはありますが、空気を抜きながら少しずつ貼っていくことは同じです。
リケン紙を少しずつめくって貼りつけるようにしましょう。必要のない部分は貼りつけた後にカッターで切り落としてください。
貼っていくにつれて縁に近づいてきたら、ヒートガンで伸ばしながら貼りつけていき、貼りつけ面の裏部分に伸ばして貼ってください。大きめに用意する必要があると上記で説明したのはこれが関係しています。
③ ポストヒーティングを施す
最後にポストヒーティングを施しましょう。ポストヒーティングを施したい部分にヒートガンを当てて、使用する(貼りつけた)ラッピングシートに定められている温度前後になるまで熱風を当て続けます。
このことからわかるように、ポストヒーティングでどれくらいの温度になるまで行えばよいか事前に調べておくことが大切です。
まとめ
ラッピングシートがどのようなアイテムであるか、そのメリット、及び実際の貼り付けで必要な道具や貼り方を紹介しました。一発勝負の塗装と比較すると、貼りつけるという作業工程の着手のしやすいさや剥がすことが可能であること、そして傷隠しとしての役割や結果的にコスト削減に繋がることなど、メリットを期待できるアイテムです。
デメリットも一部あるので把握することが大切でもあります。貼り方に関してはコツや慣れが必要ですが、小さいものから初めて大きいものに挑戦するといったことも可能です。車のカスタムなどに興味のある方や部品の補修を検討されている方、ぜひ挑戦してみてください。
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