今回は、最近ダイバーの中でひそかに話題になっている「リブリーザー」について、初心者向けに徹底解説したいと思います。
リブリーザーって知ってますか?
ライセンススクールの学科講習の時に、少し触れる程度に出てきますよね。
でも・・・。
- あれ?リブリーザーってなんだっけ?
- タンクの空気を何度も使うものだよね?
- どういう仕組みだったっけ?
ライセンスカード保持者でもよく知らない人の方が多いのではないでしょうか?
世界的に見ても、まだまだメジャーとは言えないリブリーザーダイビング。日本での普及もまだ少なく、実際に実物を見たことがない人の方が多いのが現状ですよね。
ここ数年、ダイビングの指導団体『PADI』が、レジャーダイバーにはこれまで縁遠かったリブリーザーを、レジャーダイビングでもとり入れられるように、難しい操作を完全に自動化した、電子制御回路リブリーザーを開発、推し進めていて話題となっているのです。リブリーザー体験や、プール講習、トレーニングセンターを設置するなど、レジャーダイビングの中での普及を目指しています。
そこで、今回はリブリーザーについてちょっと詳しく解説したいと思います。
仕組みや潜水時間などリブリーザーの「メリット」や「デメリット」についても、初心者向けにご説明させて頂きます。
リブリーザーって何?
リブリーザーとは、簡単に言えば、ダイビングをする時に使うタンクの空気を、水中で循環させて再利用するための再呼吸装置のことです。
通常のレジャーダイビング時には、圧縮された空気が詰まったタンクを1本、背中に背負い潜っていきます。水中では、タンクの空気を使い呼吸します。1回の呼吸で使われる酸素は、空気中に含まれている酸素の約1/3程度しか消費していません。残りはそのまま泡となって排出されていきます。
リブリーザーでは、排出された空気を再度取り込み、余分な二酸化炭素を放出すると共に、必要な分の酸素を再び吸着させ、呼吸できるようにした装置となります。
なので、リブリーザーでのダイビングでは、通常のダイビングと時のようなブクブクとでる泡の音が聞こえません。海、本来の静けさをそのままにダイビングをすることができます。
そのような装置なので魚に気づかれることなく近づいて写真を撮ったり、本来の音のない静かな海の世界を見ることができます。また、リブリーザーを使って、使用する酸素や窒素の量をコントロールすると、無減圧限界時間は格段に長くなり、水深もより深く潜ることができるようになります。
リブリーザーでのダイビングは、メリットがたくさん!
もっともっと普及すればまた違ったダイビングを楽しめそうですよね。ですが、現在リブリーザーを使ってのダイビングをするためには、別途、講習を受ける必要があります。
特殊な器具を使うこと、ダイビング方法も通常のダイビングとは少し違いがあり、慣れるまでは少しトレーニングが必要です。
リブリーザーの仕組みって?
リブリーザーについて大きくご説明しましたが、空気を循環させて再利用するための再呼吸装置リブリーザーには、実際には大きく2つの種類のリブリーザーが存在します。
排出された空気を一部再利用し使うセミクローズドサーキットリブリーザー(SCCR)と、排出されるすべての空気を再利用するクローズドサーキットリブリーザー(CCR)です。
クローズドサーキットリブリーザー(CCR)とは
CCRとは、ダイビング中に排出された空気を完全に再利用し使うリブリーザーのことです。
基本的には、純酸素と希釈剤の2本のガスが必要になります。この2種類のガスを吐き出された空気とうまく混ぜ合わせることで、空気を再利用できます。基本的に排気のための泡、音は出ることがなく(一部ガス抜きのため泡が出ることあります。)海中本来の静けさの中でのダイビングができます。
ガスの種類を変えることでさらに深海へのダイビングが可能になり、酸素や窒素の量もコントロールできることから無減圧潜水の時間も長くなります。
セミクローズドサーキットリブリーザー(SCCR)
SCCRとは、ダイビング中に排出された空気の一部を再利用し使うリブリーザーのことです。
通常のダイビングほどではありませんが、多少の排気のための音はします。使用するのは1本のガスで基本的には、ナイトロックスを使用します。純酸素を使うCCRに比べ安全度が高いことからレジャーダイビング向きと言われており、PADIが普及しようと頑張っているのはこちらのタイプになります。
難しい操作がなく、電子制御回路で完全に自動化されたSCCRを通常のダイビングと同様の水深にて使用できるように頑張っているところです。
リブリーザーって長く潜れるの?潜水時間は?
リブリーザーダイビングは、自分の排気した空気を再利用するので、通常のダイビングと比べて格段に潜れる時間は長くなります。
通常のダイビングでもそうですが、個人差、水深、環境などによって潜水時間は大きく違いがあるため、どのリブリーザーメーカーでも明確な時間などの記載はありませんが、CCRでのダイビングは、優に3時間の潜水が可能であると言われています。
CCRに比べて、SCCRでの潜水は時間が短いと言われていますが、単純な計算としても通常のレジャーダイビングと比べて約3倍は長く潜ることができるとされています。ナイトロックスの使用となるので、他の危険性も考えると深海へのダイビングではなく、レジャーダイビングとして使うこととして考えると、タンクチェンジなしで、一日ダイビングができるという計算になります。
リブリーザーのデメリットとは
ここまで見るとリブリーザーでのダイビングはいいことづくめですよね。ですが、もちろんリブリーザーでのダイビングには、デメリットもあります。
- 特殊な器材を必要とすること
- 器材の取り扱いも少なく高額で取り扱いにも注意が必要なこと
- 器材や電子機器の故障や不具合など、信頼性について
- ガスの充てんなどに費用がかかること
- 講習やトレーニングが必要なこと
- タンクは小さくなりますが、重さはほとんど変わらないこと
レジャーダイビングもひと昔前は、お金持がとてもかかると言われていたマリンスポーツでしたよね。リブリーザーでのレジャーダイビングもまだまだ発展途中です。これからもっともっと普及が進み、これらのデメリットが改善されるといいですよね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
リブリーザーの仕組みについて解説させていただきました。
現在、世界に比べて少し遅くなったものの、日本でもリブリーザーの普及についての動きが激しくなってきています。取り扱うSHOPも格段に増えつつあります。
ただ、トレーニングを受けるには18歳以上であること、レジャーダイビングでの経験も必要になってきますので注意してください。
いつか新しい形のダイビング、リブリーザーがもっともっと身近になってくる日が来るかもしれません。
コメント